旅館業の要件と構造設備基準

旅館業を開業しようとするときは、旅館業許可が必要です。旅館業法に基づく、設置場所の基準・構造基準などを満たさなければなりません。東京23区では、窓口は保健所になります。
許可取得においては旅館業法の他に各行政ごとの条例が適用され地域によって許可基準、手続きが異なってくるため注意が必要です。

設置場所が学校、児童福祉施設等の周囲約100mの区域内となり、設置によりその施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがある場合は学校等照会となります。
学校、児童福祉施設等から客室または客にダンスもしくは遊戯をさせるホールその他の設備の内部を見通すことを遮る設備を有すれば、旅館等の設置場所が学校、児童福祉施設等の敷地の周囲約100mの区域内にある場合であっても、営業が許可されるケースもあります。

申請者が以下の欠格事由に該当しないことが、許可における人的要件となります。
1.旅館業法に違反して刑を処せられその執行を終わり、または執行を受けることが無くなった日から起算して3年を経過していないもの
2.旅館業の許可を取り消され、取り消しの日から3年を経過していないもの

1.客 室

  1. 一客室の床面積は、7㎡(寝台を置く客室にあつては9㎡)以上であること。
  2. 面積算定は、内寸によって行う。
  3. 客室床面積 
    宿泊者が利用しえる面積で、押入、床の間等は含まれないが、客室に附属する浴室、便所は含まれる。
  4. 客室有効面積
    有効面積は寝室その他の宿泊者の睡眠、休憩等の用に供する部分の床面積を合計することにより算定する。

2.定 員

  1. 1客室の有効面積3㎡について、1名とすること。

3.玄関帳場(フロント)

  1. 宿泊しようとする者との面接に適する玄関帳場その他当該者の確認を適切に行うための設備として厚生労働省令で定める基準に適合するものを有すること。
  2. 2018年6月15日に改正された旅館業法で、フロントスタッフを常駐させない形での無人施設運営に関しては、ICT機器でフロントの代用ができる環境があれば無人運営が出来るようになりました。

4.寝 具

  1. 宿泊者を宿泊させるために十分な数量の寝具類を有すること
  2. 寝具類の収納設備は、寝具類の数量に応じた十分な広さを有すること

5.採光・照明

  1. 適当な採光、照明の設備を有すること

6.換 気

  1. 適当な換気設備を有すること

7.便 所

  1. 適当な数の便所を有すること(条例で数などは異なります)。
  2. 便所を付設していない客室を有する階には、共同便所を設け、規則で定める宿泊定員に応じた数の便器を設置すること。

8.洗面設備

  1. 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  2. 共同洗面所を設ける場合には、規則で定める数の給水栓を設置すること。

9.浴 室

  1. 当該施設に近接して公衆浴場がある等、入浴に支障を来さないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の入浴設備を有すること。
  2. 共同の浴室またはシャワー室を設ける場合には、宿泊定員及び利用形態等を勘案し、十分な広さの脱衣室を付設すること

10.その他

  1. 学校等の敷地(予定地含む。)の周囲おおむね100mの区域内にある場合には,当該施設から客室又は客の接待をして客に遊興若しくは飲食をさせるホールその他設備の内部の見通しを遮ることができる設備を設けること。

参考ホームページ {厚生労働省}旅館業法の概要

         {厚生労働省}旅館業法の概要等について  

玄関帳場(フロント)の設置については、2018年6月15日に構造設備基準が緩和され、厚生労働省令で定める基準を満たす設備(ビデオカメラによる顔認証による本人確認機能等のICT設備)によって玄関帳場等の代替機能のあるもので可能になりました。
原則として旅館・ホテル営業の施設内に玄関帳場(フロント)を設置することは義務付けていませんが、その場合には、玄関帳場代替設備を設ける必要があります。東京都23区の条例で、保健所により異なっていますので、それぞれの保健所での確認が必要になります。

管理者(住民等からの苦情・問合せ及び緊急の事態に適切かつ迅速に対応するための体制における責任者)を定めること。
玄関帳場を設置しない場合の管理体制については、下記の通りとする。

1.玄関に設置してあるにビデオカメラ等を設けることでインターホンの双方向通話による、本人確認ICT設備を使用して、タブレットの画像によりパスポートや身分証明書等をチェックをしてキーボックスの暗証番号を教えて解錠する。
尚、暗証番号はお客さん毎に変え、紛失に備えスペアーキーを備えるものとする。
お客さんが鍵の返却を忘れた際は、お客さんに連絡を取り返却してもらうこととする。
返却が不可能の際は、次のお客さんにスペアーキーを交付する。

2.宿泊者との連絡や緊急事態が発生した場合は、客室内に設置してある
電話,タブレット端末等を設置して連絡を受けて迅速に対応する。

3.緊急連絡先、駆けつけ拠点の所在地などの標識を出入口に設置する。

旅館業法
( 宿泊者名簿)
・宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載しなければならない。
旅館業法施行条例
(条例 清潔)
・浴衣、布団の襟部及びまくらを覆うための布並びに敷布は、宿泊者ごとに洗濯したものを用いること。
・便所、下水溝等には、ねずみ及び昆虫の防除装置を施し、その駆除に努めること。
(条例第5条 収容定員)
・客室には、次の割合を超えて客を収容してはならない。
1 旅館・ホテル営業及び下宿営業・・・客室の有効面積 3 ㎡について 1 人
2 簡易宿所営業・・・客室の有効面積 1.5 ㎡について 1 人
(条例 浴室の衛生に必要な措置)
・浴室については、次の措置を講じなければならない。
(1)浴室は、外部から見通すことのできないようにすること。
(2)原湯、原水、あがり湯及びあがり水(水道水を使用するものを除く。次号において同じ。)
並びに浴槽水は、知事が別に定める水質基準に適合するよう水質を管理し、次号の水質検査
の結果が当該水質基準に適合しない場合には、直ちに適切な措置を講ずること。

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