民泊.旅館業許可の手続きについて

民泊.旅館業

を行うには

1.旅館営業許可とは

旅館営業許可とは、旅館業を経営する場合に、旅館業法に基づいた許可で旅館やホテル、簡易宿所などとして営業する事になります。
民泊では旅館業の取得がベストかと思われます。
「旅館・ホテル営業」は、旅館業法に基づき通常の旅館業の申請を行い許可を取得するやり方です。
2018年1月にホテル、旅館営業の施設の設備の基準などを定める旅館業法施行令や衛生管理要網も改正されました。これにより最低客室数や玄関帳場の設置などの設備要件が撤廃や緩和されました。具体的な主な改正内容は、以下の通りです。

構造設備要件改正内容
客室数の廃止ホテル営業10室、旅館営業5室の基準を廃止
フロント要件   基準を満たすビデオなどの設置で玄関帳場に代替する設備として認める
便 所数値による規制は廃止、適当な数を有すればよいこととされました

旅館営業許可のメリット

民泊サービスの営業日数や宿泊日数に制限がないため1年間365日稼働できますので、旅館業での経営方法がベストな選択になります。旅館業法改正により1室からでも営業ができるようになりましたので大きなメリットといえます。
旅館業では、衛生設備や消防設備が義務付けられ、建物の設備等を建築基準法に適合しているかなどの要件が課せられることもあります。
長期で民泊サービスを行うには、法改正により1室からでも営業ができる旅館業での経営をお勧めします。

2.住宅宿泊事業法とは

住宅宿泊事業法は、急速に増加する民泊について、騒音やゴミ出しなどによる近隣トラブルが社会問題になっていることや観光客の増加で宿泊ニーズが多様化していることなどに対応するため、一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るものとして、新たに制定された法律で、平成29年6月に成立しました。
住宅宿泊事業法では、1年間の営業日数は最大でも180日を超えて出来ないため、民泊サービスを行うにはリスクがあります。また、東京都の条例ではさらに日数を土日のみなどと極端に制限している区も多くあるため、東京23区ごとの確認をする必要があります。
また、家主不在型の民泊営業をする場合、専門の登録業者に外部委託する必要があります。
観光庁への登録義務もあり、この点も面倒で大変な作業になります。
住宅宿泊事業を行うには、以下の要件を満たす必要があります。

1.設備要件
台所、浴室、便所、洗面設備
2.居住要件
「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」
「入居者の募集が行われている家屋
「随時その所有者、賃貸人の居住に供されている家屋」

3.特区民泊(国家戦略特区)とは

特区民泊とは、国家戦略特区として指定された地域で、また特区民泊における条例を制定した地域でのみ行うことができる民泊サービスです。
東京都では大田区のみが旅館業法の特例として、旅館業による営業許可を取得することで営業が可能になります。ただし、最低宿泊日数が2泊3日以上という制限があり1泊からの宿泊はできません。客室面積や設備要件も厳しく、容易にはできません。

民泊新法と旅館業の比較表


民泊新法旅館業法
許可制と届出制届出制許可制
営業日数の規制    ・1年間の宿泊数の上限が180日以下
 ・条例でさらに引き下げの可能性あり     
規定なし
施設の管理・登録業者への委託義務あり
・家主不在型の民泊営業をする場合、専門の登録業者に外部委託する必要があり
規定なし             
仲介業者の規制     ・観光庁への登録義務あり規定なし

まとめ

2018年6月の改正旅館業法等の改正によって、旅館業法施行令も「ホテル営業」・「旅館営業」に代わって、「旅館・ホテル営業」の構造設備の基準を定めることになったため、以下のように変更になりました。

  • 最低客室数の廃止
    ホテル営業は最低10室、旅館営業は最低5室の基準の廃止
    ※1室からの営業が可能になりました。
  • 構造設基準
    出入り口、窓への施錠が可能なこと、客室と他の客室等の境が壁造りであることの廃止
  • 最低床面積
    ホテル営業は最低9㎡以上の緩和
  • 玄関帳場の基準の緩和
    多くの区でフロント(玄関帳場)等に代替えする機能を有する設備として、ビデオカメラによる顔認証による本人確認機能等のICT設備が認められることとなりました。
  • トイレ設備の基準 
    トイレの数の要件も緩和されました。

旅館業許可業務手数料

旅館業での営業許可を取得するには、旅館業法や消防法・建設基準法などと関連するため、多くの書類図面の作成に加え、申請手続きの流れも複雑で保健所ごとの条例で異なる設備基準があります。
※ 案件の内容や規模に応じて金額が変わりますので、打ち合わせした後にお見積りを致します。
※ 保健所:旅館業許可手数料 22.000円~

  サポート内容報酬額(税込)
旅館業営業(簡易宿所)許可
旅館業営業許可申請書類・標識、案内図の作成 
140.000円~     
旅館・ホテル営業許可
旅館業営業許可申請書類・標識、案内図の作成          
150.000円
測量・下記の図面作成など
※標識、建物配置図・平面図・客室求積図、
 正面図・側面図・空調設備図、給排水設備図など 
70.000円
消防関係の図面や書類の届出
※消防用設備等設置届出などの書類作成 
40.000円~    

サービス内容 

  • 保健所・消防署の担当窓口との事前相談
  • 旅館業法の関連書類の作成
  • 施設でのレーザー距離計による測量
  • 施設の平面図などCADによる作成
    ※周辺図、平面図、面積求積図、求積表、正面図、側面図、照明設備系統図、給排水系統図、換気設備図など
  • 申請書類の提出代行
  • 保健所の検査立ち合い
  • 許可書の受領代行

お問い合わせ

ご依頼及び業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください

永井行政書士事務所

旅館業法営業に関する参考ホームページ

厚生労働省「旅館業法概要」

  厚生労働省「簡易宿所について」

  簡易宿所営業の許可取得の手引き~

  民泊サービスと旅館業法に関するQ&A